2025/12/23
街にイルミネーションが輝き、クリスマスや年末に向けて賑わいが増すこの季節、華やぐ街の空気に、自然と気持ちも高まってきますね。
そんな時期、自分へのご褒美や大切な人へのギフトとして、特別な「香水」を手に取る方も多いのではないでしょうか。
「香水」は、以前「Room Turn Blue」さんがご紹介されていたように、カトリーヌ・ド・メディシス(Catherine de Médicis)によってもたらされた「フランス文化」の一つです。
彼女がフランスの地に蒔いた「香りの種」は、のちに一人の英雄によって、現代の私たちが驚くような「独自の活用術」へと繋がっていくことになります。
その人物こそ、皇帝「ナポレオン・ボナパルト(Napoléon Bonaparte)」です。
驚くことに、ナポレオンにとって香水は単なるおしゃれではありませんでした。
ナポレオンは、極端に睡眠時間が短かったことで知られていますが、「男は4時間、女は5時間、愚者は6時間」という言葉を残すほど、睡眠時間を削ることを自らに課していました。
しかし、そんな彼も決して眠くならなかったわけではありません。
その「眠気という敵」に打ち勝ち、脳を強制的に覚醒させ続けるための武器が、カトリーヌから伝わった「香水」だったのです。
彼は1か月に60本近くものオーデコロンを浴びるように使い、あろうことか、角砂糖に浸して食べていました。
当時のオーデコロンは、柑橘類やハーブ、そしてアルコールで作られていたため、糖分で脳にエネルギーを補給しつつ、香りの刺激で脳を強制的に覚醒させていました。
つまり、現代でいう「エナジードリンク」や「ドーピング」のような感覚で、極限まで集中力を高めるために香水を体内に取り入れていたのです。
戦地でも「香水」への愛は凄まじく、激しい乗馬中にも片手で取り出せるよう、ブーツの隙間に収まる特注の細長いボトル(ナポレオン・ボトル)を作らせていたほどでした。
しかし、彼の人生の終焉とともに、この「香り」の物語は切ない幕切れを迎えます。
敗北し、大西洋の孤島セントヘレナ島へ流されたナポレオンですが、当然そこでは愛用の「香水」が手に入らなくなりました。
絶望した彼は、身の回りの世話をしていた従者に命じ、島に自生する草花をかき集めて、自ら香水を調合させたのです。
かつてヨーロッパを支配した英雄が、絶海の孤島で、遠き日の栄光を思い出しながら自分の香りを再現しようとした……。
その執念が生んだレシピは今も現存しており、彼にとって「香水」は、最後まで自分を支え続けた「戦友」だったことが伺えます。
カトリーヌが蒔いた「文化の種」は、数百年後の英雄にとって、孤独や戦いを支える「生きるための必需品」へと進化を遂げていたのですね。
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12月の忙しい時期、もし皆さんが眠気に負けそうなときは、ナポレオンのように「香りの力」で脳をスイッチオンしてみてはいかがでしょうか。
[一般社団法人 目白心理総合研究所 ]
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