2026/02/04

ISO(国際標準化機構)とは、スイスのジュネーブに本部を置き、世界中で「バラバラだと困るもの」の「共通ルール(世界共通の物差し)」を決める組織のことです。
例えば、A4用紙がどのプリンターでも使えるのも、クレジットカードのサイズが世界共通なのも、そして、非常口のマークがどこへ行っても同じなのも、すべては「ISO」が決めた「共通の物差し」です。
また、「ISO」はモノの形だけでなく「組織のあり方」についても、「ISO 9001:品質管理(いい製品を作るための仕組み)」や「ISO 14001:環境管理(地球に優しい活動をするための仕組み)」などの基準を作っています。
それが今や、「職場のメンタルヘルス」にまで「共通の物差し」が作られ、2021年に「ISO 45003」が発行されました。
「ISO 45003」は、職場の「心理的健康」を守るための世界初の国際規格(指針)で、その最大のメッセージは、極めて明確です。
「社員が病むのは、個人のメンタルが弱いからではない。職場に『リスク』という欠陥があるからだ」
これまでのメンタルケアが「起きてから治す(個人への対処)」だったのに対し、「ISO 45003」は、「起きない仕組みを作る(組織の管理)」という、パラダイムシフトを提唱しています。
世界基準では、以下の要因を「個人の悩み」ではなく、工場の「機械の故障」や「油漏れ」と同じように、組織の「欠陥(リスク)」と見なしています。
1. 仕事のやり方
役割の曖昧さ、締切が異常に厳しい、過度な負担
2. 職場の人間関係
フィードバックの欠如、孤立、サポート不足
3. 働く環境
騒音、不適切な設備や道具
これらを「マネジメントの不備」として管理し、取り除くこと、それが、これからのグローバルスタンダードになっています。
この規格が画期的なのは、メンタルケアを「人事やカウンセラー任せ」にせず、経営課題(トップマネジメント)として位置付けている点にあります。
重要なのは「この国際基準をどうやって現場で実現するか」という点ですが、その具体的な解決策となるのが「EAP(従業員支援プログラム)」です。
「EAP」は、個人への専門的なカウンセリングだけでなく、組織のリスク分析からマネジメントの改善、環境づくりのコンサルティングまでを一気通貫で担う、いわば「組織の戦略的パートナー」といえます。
「EAP」の役割は、心理的リスクである「見えない油漏れ」を見つけ出し、個人と組織の両面から修復し、「ISO 45003」という理想の物差しを、現実の職場にフィットさせていくことにあります。
誰かの心に寄り添うとき、私たちはつい「その人個人」だけを見てしまいますが、「ISO 45003」というレンズを通すと、その人を苦しめている「背景の仕組み」にまでアプローチが可能になります。
これからのスタンダードな支援のあり方は、「個人」と「組織」、この二つの物差しを使いこなして、仕組みから健やかな職場をデザインしていくことなのです。
本質的な組織支援や、EAPに関するご質問は、ホームページ「お問い合わせ」よりお気軽にお声がけください。
[一般社団法人 目白心理総合研究所 ]
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