2025/11/18
次第に寒くなってきた今日この頃、温かいものが恋しい季節になりました。
お鍋が食卓を囲む機会も増える中、特に旬の「牡蠣(カキ)」はプリプリとして最高に美味しいですよね。
実は、この美味しい「牡蠣」の生態には、私たちが「多様性」を考える上で、非常に示唆に富んだ秘密が隠されているのです。
冬に旬を迎える「真牡蠣(マガキ)」は養殖しやすく、安定的に供給できるので、スーパーなどで最もよく流通していますが、この「真牡蠣」の多くは、なんと生涯でオスとメスを何度も切り替えることができるのです。
「真牡蠣」は、まず幼いうちや栄養状態が不安定な時期にはオスとして成熟する傾向がありますが、これは、大量の卵を作るメスに比べて、精子を作る方が体力の負担(コスト)が少ないからです。
そして、夏の繁殖期が終わると、「真牡蠣」は性別が曖昧な中性の状態に戻り、翌年の繁殖期が近づくと、その時点での体の大きさや栄養状態に応じて、再び性別が再決定されます。
具体的には、十分に栄養を蓄え、体が大きく成長した個体は、大量の卵を産むためにメスになり、一方、栄養状態が良くない、または体が小さい個体は、比較的少ない体力で済むオスになる傾向があるのです。
この「性転換」は、限られた環境の中で子孫を最大限残すための、「真牡蠣」が持つ驚くほど柔軟で合理的な「生きる戦略」といえます。
「真牡蠣」の性別が環境や体の状態に応じて柔軟に変化するのと同様に、私たち人間の性のあり方、つまりジェンダーやセクシュアリティ(LGBTQ+)もまた、一律の基準で決まるものではなく、非常に多様で柔軟なものです。
つまり、「真牡蠣」がオス・メスという枠を超えて柔軟に生きるのと同じように、私たち人間の「性」もまた、「男性」「女性」という二元的な枠組みだけでは捉えきれない、多様で無限のグラデーションを持っています。
心のあり方や性のあり方は、その人にとって最も自然で大切な「ありのままの姿」なのです。
大切なのは、「真牡蠣」の多様な生き方を「自然で、必要なこと」と認めるように、人間の多様なあり方もまた、その人にとって最も大切な「ありのままの姿」として共感し、受け入れることではないでしょうか。
生物の多様性が生命の豊かさや強さにつながるように、社会における性の多様性も、私たちの社会を豊かで強いものにしてくれます。
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「真牡蠣」が持つ「性の柔軟性」に目を向けた今、すべての人が、自分らしく、尊重されて生きられる社会について、一緒に考えてみませんか。
[一般社団法人 目白心理総合研究所 ]
臨床心理士 / 公認心理師 /
キャリアコンサルタント
/ CEAP / EAPコンサルタント /
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